望洋楼から

料理旅館として

望洋楼は、明治時代から続く料理旅館です。福井は、越前がにをはじめとする海の幸、野の幸に恵まれた土地。その豊かな食を、料理という体験に変えるのが私たちの仕事であり、喜びでもあります。今の時代、食べること自体はそれほど難しいことではありません。しかし一方で、食べることが作業になってはいないでしょうか。忙しい中で摂る食事が多いため、それはやむをえないことだと思います。だからこそ、望洋楼にお越しいただいた際は、福井だから味わえるものを、さらに私たちのできる限りを尽くした料理をお出ししたいと考えています。

時代と共に変わること

望洋楼は、明治時代から今日まで、お客様がお求めになられることに応じて変化を続けています。2021年に全館リニューアルをしたのも、そのひとつです。滞在場所としての基本となる安全性を高めました。そして、日常を忘れ、心をほどいていただけるように、日本海を目前にする立地を最大限活かした空間を創りました。アメニティやタオル類は環境に配慮したものに。お客様がお部屋でゆっくりとお寛ぎいただけるよう、お手に取られる備品や寝具も望洋楼の視点で選び抜きました。

望洋楼という体験

水平線に沈む太陽、日本海から吹き抜ける風、変わり続ける波の形。それら絶景にふさわしい料理。望洋楼で忘れがたい体験をしていただけるように私たちは尽くしていきます。ご希望のお客様以外は、お部屋に時計を置いておりません。望洋楼にいらっしゃる間は、時間を忘れ、愉しみ、そして、深く長くお寛ぎいただきたいという想いからです。遠い道のりだったけれど訪れてよかった。また訪れたい。そう感じていただけるように、関わる全ての者が望洋楼としてあるべき姿を追求し、お客様の貴重なお時間を大切にしていきます。貴方様をお迎えする時を心待ちにしております。